管理人が選ぶ名作漫画100選

010・・・並木橋通りアオバ自転車店 宮尾岳 19巻(連載中)

掘り出し物の1冊です。主なストーリーは、小学生の主人公、アオバちゃんの家族が営業している、アオバ自転車店に来るお客さんと、そこで出会う自転車が主役の1話完結のショートストーリー集です。たかが自転車と思うなかれ。作者の自転車に対する想いが半端じゃないですw
スポーツタイプの自転車が、ママチャリ(シティサイクル)より素晴らしいなんてことはない。人に乗られて、その人の用途によって使い勝手がいい自転車こそ、素晴らしいものなんだという姿勢は、1話目から今でも変わりません。
誰もが持ってる、一番最初に自転車に乗れた喜びのような、なんともいえない幸福感を味わえるストーリーは、ぜひ1巻でも手にとって体験してみてください。ひとつの自転車にこめられた想いの数々にきっと出会えるはずです。普段、何気なく乗っている通学用の自転車にも、毎日毎日、仕事の相棒として荷物を運んでくれている自転車にも、スーパーと家の往復にしか使われない自転車にも、警察官が乗っている自転車にも、そしてもちろんレース用の自転車にも、乗っている人それぞれに、必ずエピソードはあるものです。そんな小さな、小さなお話に、涙することもあるかもしれません。
さて、この作品のベスト台詞賞を考えたんですけど、正直悩みました。作者の言う、「人が乗ってこそ自転車には価値がある」という考えに基づいた台詞もあるんですけど、あえて僕はひとつの物語の中から、グッときたこちらをこの作品のベスト台詞にします。
2巻に収録されている話で、昔一緒に暮らしていたモデルとカメラマンは、カメラマンの仕事が忙しいことを理由に別れてしまう。そのとき彼女は、前輪部分とと後輪部分の2つに分かれるデモンターブルという自転車の前半分を持って出て行ってしまう。それから10年、カメラマンの姪とモデルの甥が友達同士というつながりがあって、2人とデモンターブルは再び出会う。そのとき、このデモンターブルをオーダーメイドで作ったアオバ自転車店の店長、つまりアオバのお父さんの台詞を、この漫画のベスト台詞賞にしたいと思います。

「オーダーメイドで作られたデモンターブルなら

          その対になるものは

                 世界でただひとつしかないんですよ」



好きなキャラTOP3

1位:峠アオバ
頭の中の97%が自転車のことという看板娘兼主役w

2位:小峰チヅル
連載雑誌がYKだということを思い出させてくれます(笑)

3位:坂本ナツキ
アオバっぽいキャラだなと思ってみてます。

年に1冊から3冊程度、ふと買った漫画で大当たりがあるんですけど、これが2005年に出会えた大当たりの1冊です。(昨年はのだめカンタービレ!)
こういうまだ知名度があまりないときから見つけて、後で大ヒットすると本当にうれしいものです。きっと、このアオバも大ヒットしてもおかしくないおもしろさです。
自転車って、誰もが一生に2回は乗り換える乗り物だと思うんですけど、前に乗っていた自転車に思い入れがある人って少ないと思うんですよね。
数あるストーリーを描いていらっしゃるので、いつか中古自転車のことも描いてくれたらなぁと思っていたりします。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索